もう2週間経っていますが、New3DS用のスーパーファミコンVC第2弾が開始されました。
今回のラインナップは以下の3つ。
- パイロットウィングス
- スーパードンキーコング2ディクシー&ディディー
- スーパーメトロイド
スーパーマリオワールドやF-ZEROと並ぶローンチタイトルのパイロットウィングス、スーパードンキーコングの続編スーパードンキーコング2、そしてメトロイドシリーズ初期三部作完結編のスーパーメトロイドの3本。
ちなみに、小説家の宮部みゆきさんがガチガチのゲーマーになったきっかけはこのスーパーメトロイドです。
ほぼ日刊イトイ新聞 - 樹の上の秘密基地。
加えて、スーパーファミコンエディションのNew3DSLLの注文受付も始まっています。
2016年4月27日の午前11時59分で受付終了です。
本体だけでなくパッケージにもこだわりのある一品です。任天堂ホームページの購入ページよりどうぞ。
スーパードンキーコング2ディクシー&ディディー
というわけでスパドン2を遊びました。キャプテンクルールに奪われたドンキーとバナナを取り戻すため、ディディーとディクシーがクレムリン島で大冒険! というアクションゲーム。
キャプテンクルールはキングクルールの兄だったり同一人物だったり設定が安定しない。
ステージは非常にバラエティ豊か。船の甲板やマストや沈んだ船底といった海賊らしい場所だけでなく、空に生い茂る茨の迷路や、金色の蜜が滴るハチの巣といった個性的なものまであります。奇抜なアイデアにはひたすら敬服するしかない。
美麗なグラフィックには魅了されること間違い無し。2016年の基準でも見劣りしません。
ゲーム全体の雰囲気が少し暗く、海賊のアジトの危なげな空気が漂っていて好みですね。あと前作で最初のレベルだったジャングルが隠しエリアになってるのも面白い。
前作はボーナスステージの位置がとても分かりにくく、何の変哲もない穴にミスを覚悟で飛び込まないといけない始末でした。
その反省からか、今作ではバナナによる誘導が徹底されています。ポツンとバナナが置いてある場所には大抵何かある。もっとストレートにバナナの矢印や文字で示されていることも。
クランキーコングのヒントも分かりやすく、かつ露骨すぎない適度な塩梅です。タルタルこうざんのDKコインは本当にそのまんまの意味だった。
示されるのはボーナスステージやDKコインの在り処だけではありません。バナナを取るようにジャンプすれば綺麗に敵を飛び越えられたり、広いフィールドの道標になっていたり。
正直いって驚いた。1年でここまで進化を遂げるものなのか。
敵やタル大砲の配置も洗練されています。敵を連続で踏むとそれだけで気持ちが良いのだと、改めて気が付きました。バナナをあつめ、ワニ共を捌きながら駆け抜ける、単純にして痛快。
ボーナスステージがあまりボーナスではなくなっていますが、その代わりステージにはわんさかバナナが落ちています。最初のステージを適当にやるだけでも4~5機は増やせる。
間違えたら即ワンミスとか、気づいた時にはもう手遅れのタイミングで飛び出てきたりとか、そういった粗い設計は減っています。
前作の「タルたいほうの谷」「マインカートコースター」「ふぶきの谷」のような、レベル不相応に難しすぎるステージも無いと言ってよいでしょう。
全体的な難易度は上昇しており、特にレベル6やロストワールドでは十数回ミスすることも珍しくありません。クリアするだけでも正確なジャンプが求められる。
それであってもステージの遊びやすさは飛躍的に向上し、辛口コースに楽しく挑めるようになっています。アニマルランドは心が折れかけたけど……。
前作にはなかったアクション「チームアップ」は2人での冒険という感覚をより鮮明にしています。
1人では辿りつけない場所に行けたり、厄介な敵を倒したり。DKバレル同様、ゲームのコンセプトとマッチした良アクション。
アニマル変身バレルと禁止サインにより、アニマルフレンズの存在感も向上しています。コングたちよりも更にパワフルな、あるいはテクニカルなアクションが満喫できる。
「禁止サインがある=近くにそのアニマルフレンズがいる(なれる)」。つまり、探してみようというヒントになっているんですよね。DKコインやボーナスステージも側にあるかも?
BGMは名曲だらけ。CGグラフィックと融け合ってプレイヤーの心を掴んで離さない。
「とげとげタルめいろ(サウンドテストでは「BRAMBLES」)」はもはや伝説。
空にぽっかり浮かぶ茨の迷宮は右も左もトゲだらけ。どこにどこまで向かえば脱出できるのか。神秘的な光景なれど心は不安と寂しさで締め付けられている。そんな光景を表現したかのようですね。
他にも「ようがんクロコジャンプ」「タルタルこうざん」「かいてんタルさんばし」「おばけロープのもり」「こごえる地下すいろ」「クラッシュエレベーター」などなど。
どの曲もステージとこの上ないくらいにマッチしているんですよね。「曲が良い」以上に「曲とステージが醸し出す空気が染みる」。
空のデータを選んで「Two Player Contest」で十字キー下を5回押すとサウンドテストに移行できます。
不満点といえば「強風のギミックは影響の大きさの割に事前告知が短すぎる」とか、「ハチミツから離れるときの操作が煩わしい」とか、「ボス戦は逃げに徹する時間が長い」とか、「きりのもりは中間ポイントからゴールまで長すぎだろ」とか、「アニマルランドはスコークスだけ異常に難しくて綺麗ではない」とか、そういうピンポイントなものになりますね。
ディクシーのポニーテールスピンが便利すぎるといっても、かなり難しいゲームだしこのくらいの抜け道はあってもいいかなと思います。
もとより爽快感バツグンだった前作の荒削りな部分を改善し、「クリアできるまで頑張ろう」と奮起できるような高難易度設計を施した傑作。
心震わせるまでに美しいグラフィックやBGMもプレイヤーのモチベーションを高め、辛口のアクションゲームというアトラクションにのめり込ませてくれる。
挑戦と達成の喜びがつめ込まれた紛れも無い名作です。